blogBACK

コレクティヴ・アメイズメンツ・トゥループ[CAT]2023年度 活動レポート

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウが文化庁の委託事業として行う「コレクティヴ・アメイズメンツ・トゥループ [CAT = Collective Amazements Troupe] 」(*1)の2023年度の活動を紹介した特設ウェブサイトスペシャルムービーを公開しています。

AITのディア ミープロジェクトでは、異なるバックグラウンドをもつ人たちが自然に混ざり合い、芸術体験を通して本来持つ力を発揮しやすい場づくりや、未来を想像する学びの場を創出してきました。こうした経験をさらに発展させるべく、2022年に日本とオランダの団体とともに3者のコラボレーションプログラム「CAT」を始動。それぞれの知見を交換しながら、障害ほか多様な特性のある子どもやユース、伴走する大人が互いに好奇心を持って出会い、表現の場をともにつくりだしています。

AITが行うCATの協働団体は、オランダでアウトサイダーアートやメンタルヘルスをテーマにさまざまな活動を行う美術館「ミュージアム・オブ・マインド」、そして、東京で20年にわたりダウン症や自閉症の子どもを中心としたメンバーと表現活動を行う市民グループ「アトリエ・エー」。

CAT2022のプログラムでは、子どもたちとともに東京国立近代美術館を訪れ、対話を重ねながら新たな刺激や気づきを得る「インスピレーション・ツアー(美術鑑賞プログラム)」とその経験から自分の表現を深める創作の機会をつくる、インスピレーション・プログラムを行いました。(2022年のインスピレーション・ツアー


2023年度のCATでは、障害のあるメンバーと一緒にアーティゾン美術館へお出かけし、創作を行うインスピレーション・ツアーを行ったほか、夏にAITスタッフと精神科ソーシャルワーカー3名が日本からオランダを訪問し、アートや表現、自然をつうじて生きづらさを抱えるユースや多様な人との協働をめざす美術館やアートスペース、ケアの団体を視察し、意見交換を行いました。

12月にはオランダのミュージアム・オブ・マインドより、メンタルヘルス・プログラム マネージャーのヨレイン・ポスティムス氏を東京に招聘し、「アトリエ・エー」のメンバーとともに、音楽と精神のインスピレーション・プログラム「マーク・トゥー・ザ・ミュージック(Mark To The Music)」(アンビエント音楽や瞑想を取り入れた表現ワークショップ)を実施し、子どもたちや音楽家による特別なコラボレーションが実現しました。


こうした活動をつうじて、日本とオランダの精神医療やアートの分野を横断しながら複数の視点で活動を振り返り、多様な人々とのより豊かな芸術体験がもたらす可能性を探り、ゆくゆくはニューロダイバーシティ(*2)を推進する芸術プログラムへと発展させる試みです。

子どもたちや参加者のひとりひとりの反応や声、オランダレポートは、CATの特設サイトでご覧ください。
今後もCATの活動は不定期で継続していきます。どうぞお楽しみに!

主催:文化庁、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ
企画:AIT ディア ミー
協働団体:アトリエ・エー、ミュージアム・オブ・マインド
協力:資生堂カメリアファンド、オランダ王国大使館(鑑賞プログラム協力:SBI 新生銀行グループ)
協賛:ローランド株式会社、株式会社MOGU、バニーコルアート株式会社




*1 「コレクティヴ・アメイズメンツ」とは、集団で体験する驚き、「トゥループ」とは、一人ひとり独立した表現者の集まりを意味している。

*2「神経多様性」を意味する、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)の2つを組み合わせた言葉。「人それぞれ異なる特性を尊重して、多様性の違いを社会で生かそう」という考え方を広げるための取り組み。

*AITのディア ミーでは、活動にご賛同いただける企業や個人の寄付やサポート、コラボレーションのご相談も随時受け付けています。多様な子どもたちのアート活動やオリジナル企画をともにつくってみませんか?

TOTAL ARTS STUDIES とは?

TOTAL ARTS STUDIES

芸術を、これからの時代を生きぬくための「道具」として捉え、社会を多角的に考察しながら、誰もがアクセスできる学びの場を目指します

EVENTS & WORKSHOPS

RELATED BLOG