RESIDENCY PROJECTS & RESEARCH

AITのアーティスト・イン・レジデンスプログラムは、アーティストのための滞在場所が東京では数少なかった2003年に、都市・東京の情報とネットワークの場を生かしたリサーチ型プログラムとして開始しました。以来、海外からのアーティストやキュレーターの招聘をはじめ、2005年より日本のアーティストを海外に派遣し、これまでに150名以上のアーティストやキュレーターが同プログラムに参加しています。

現在、レジデンスプログラムの公募は行っておりません。
The open call to apply for our residency program are not accepted.


多様な学びの場としてのレジデンスプログラム

多領域に渡る創作活動と思考を持つアーティストやキュレーター、ライターやエデュケーターを迎え、知識と経験を共有する相互的な学びと交流の場をつくっています。

東京を中心に、さまざまな美術館やギャラリー、アートスペースを訪れ、制作のヒントやその起点となる人々、ものとの出合いを積極的に探りながら制作された作品は、展覧会やトーク、ワークショップなどで展開されています。

近年は、招へい者の専門分野に加え、AITならではのネットワークを活かして協働団体や滞在場所も拡げることで、気候危機や現代の社会問題を含む多様なリサーチの視点にも接続しています。

 

 

これからの移動・滞在

また、AITでは、近年の地球規模の諸問題やアーティストの生き方の変化にともない、「移動」の概念を捉え直すことも、これからのアーティスト・イン・レジデンスプログラムを考えていく上で重要だと考えています。物理的な移動に限らず、オンラインや遠隔での交流をコミュニケーションの場として柔軟に組み合わせることで、これまでの概念とは異なる「移動」や「経験」の新たな実践を、アーティストや協働団体とともに創造し、プログラムを展開します。

画像:二階建ての蔵を改装したレジデンスハウス(東京・大田区)

*本ページの一部は、文化庁「アーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業」によって助成されています

Partners | パートナー

AITのレジデンスプログラムは、国内外にある芸術文化機関や財団との提携・助成により運営しています。(現在、一般からの公募はしていません)

IASPIS|イアスピス(スウェーデン)

協働期間:2003年〜現在

The Swedish Arts Grants Committeeの活動の一環として、ヴィジュアルアート、デザイン、クラフト、建築の分野で活動する者の国際交流支援のために1996年に設立されたIASPISとは、2003年のプログラム開始より提携が続いています。

AITとのプログラムでは、現代アートやインテリアデザイン、絵本、漫画など、さまざまな表現分野のアーティストを招くことにより、あらゆる表現者の多様な思考や豊かな創造性をサポートしています。東京での発表につながることもあり、2011年に滞在したマイケル・ヨハンソンは、メゾン・エルメス(銀座)のショーウィンドウ展示をしました。

IASPISはまた、スカンジナビア半島から空路ではなく、ユーラシア大陸を陸路で横断するアーティストのサポートを行うなど、地球環境の諸問題にいち早く制度設計を合わせ、持続可能な表現者の創作プロセスに大きな力を与えています。

これまでの招聘アーティスト(旧AITウェブサイト)

Backers Foundation|バッカーズ・ファンデーション(日本)

協働期間:2006年〜現在

オーナー型の経営者が集まり、社会貢献事業を行う経営者有志の任意団体。

2006年の開始当時、文化的な支援制度が未整備の国や地域のアーティストを積極的に招へいするプログラムとして、中南米やアフリカ、東南アジアを含む15カ国より20名のアーティストと10名のキュレーター、アートライターが滞在し、リサーチから作品制作、新作の展示を通じて、滞在の成果を発表してきました。(The BAR vol.1〜10)

2012年には、5周年を記念した「ホームアゲイン −日本を体験した10人のアーティスト」展を開催(原美術館、東京)、アーティストを再び日本に招きました。10年の節目となった2018年には、これまで参加した全アーティストによる作品を「東京アラカルト」展として小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ、タカイシイギャラリー(すべて東京)の協力のもと一堂に展示しました。その後もアーティストは日本を訪れ、当時の記憶を振り返りながら新たな創作に着手するなど、それぞれが経験をアップデートしています。

11回目(The BAR vol.11)となる2018年より、海外でのリサーチや国内での創作活動とその準備を支援すべく、日本のアーティストをサポートしています。

これまでの招聘アーティスト・キュレーター(旧AITウェブサイト)

Mondriaan Fund|モンドリアン財団(オランダ)

協働期間:2007年〜現在

モンドリアン財団は、オランダの視覚芸術と文化遺産のための公的機関として、アーティスト、展覧会制作者や批評家、美術館、芸術・遺産機関、出版社などさまざまなプロジェクトとプログラムを支援しています。

国籍は問わず、就学や移住などでオランダを拠点にする表現者のサポートを行い、多様なバックグラウンドを持つアーティストを日本に送り出しています。そうした多様性は、おのずと表現形態やリサーチのテーマにも表れ、AITでのトークやワークショップを通して相互の学びに繋がっています。2013年に滞在したメルヴィン・モティは、レジデンスをきっかけに、翌年のMAMプロジェクト(森美術館)にて、東京で制作した作品を発表しました。

これまでの招聘アーティスト(旧AITウェブサイト)

Finnish Cultural Foundation|フィンランド文化財団(フィンランド)

協働期間:2022年〜現在

フィンランド文化財団は、主に芸術・科学分野の研究や芸術活動に助成金を授与し、多岐に渡るプロジェクトとプログラムを支援しています。賞の授与に加え、レクチャーやシンポジウムなどの教育的なイベントも開催しています。

レジデンスプログラムのサポートでは、フィンランドを主な活動拠点とするアーティストを8カ国(2024年現在)、10箇所の国際的な文化機関や教育パートナーと連携し、滞在とリサーチ支援を行なっています。

AITとのプログラムでは、グローバルな視点から考察する自然と人間の関係性や、土地の歴史と精神性、ケアとアートなど分野横断的な領域における研究を行う視覚芸術の表現者の、さらなる探究をサポートしています。

助成・協働団体名年度
Toyota Foundation|トヨタ財団(日本)2004
Asia Link|アジアリンク(オーストラリア)2004, 2005
SSamzie Space|サムジー・スペース(韓国)2004, 2005
FRAME|フレイム(フィンランド)2004, 2006 – 2008, 2010, 2011
Ishibashi Foundation|石橋財団(日本)2005 – 2010
Asian Cultural Council|アジアン・カルチュラル・カウンシル(日本) 2006
Agency for Cultural Affairs|文化庁(日本)2011 – 2020
Cove Park|コーヴ・パーク(スコットランド)2011, 2013, 2018, 2019
SOMA| ソーマ(メキシコ)2012, 2013
Centre for Contemporary Art Ujazdowski Castle A-I-R Laboratory(ポーランド)2013, 2015
Camden Arts Centre|カムデン・アーツ・センター(イギリス)2014 – 2016
Chiang Mai Art Conversations|チェンマイ・アート・カンバセーションズ(タイ)2015
Node Center for Curatorial Studies|ノード(ドイツ)2015
TABAKALERA|タバカレーラ(バスク、スペイン)2016
Times Museum|時代美術館(中国)2017, 2019
The Nippon Foundation|日本財団(日本)2018
Embassy of the Kingdom of the Netherlands|オランダ大使館(日本)2018
The Fifth Season|フィフス・シーズン(オランダ)2018
Saxony-Anhalt Arts Foundation|ザクセン=アンハルト州芸術財団(ドイツ)2018
Creative Residency Arita|クリエイティブ・レジデンシー・アリタ(日本)2018
Japan Foundation Asia Center|国際交流基金アジアセンター(日本)2019
Hospitalfield|ホスピタルフィールド(スコットランド)2019
Bethel House|社会福祉法人浦河べてるの家(日本)2019
Baltan Laboratories|バルタン・ラボラトリーズ(オランダ)2020
Museum of the Mind|ミュージアム・オブ・マインド(オランダ)2022 – 2023

FRIENDS

レジデンスプログラムや現代アートの学びの場をはじめ、AITの自主事業で継続的に関わりのあるアーティストやキュレーター、ゲストを掲載。国や領域を超えてコラボレーションをしています。(最新情報から随時更新中。組織名・肩書きは当時のもの。敬称略)

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